「弟子たちの裏切り」
2023.06.18
◎ルカ22:1~6
22章では、二人の弟子の裏切りを描いています。イスカリオテのユダとペテロです。今回はイスカリオテのユダの裏切りについてみていきます。ユダは元々イエスさまによって特別に選ばれた、12人の弟子の一人でした。イエスさまは決してエリートを選り好みしたわけではありませんでしたが(むしろその逆)、選ばれるだけの信仰の熱量や器量があったことは想像できます。ユダは弟子の一団の財務管理を任されていたようです。私たちも信頼のおける人でなければお金を預けるようなことはしないでしょう。それなりに信用信頼されていたと思われます。ただし、信頼に反して預かっていたものを着服していたようです(ヨハネ 12:6)。今朝のところでは、そのユダに「サタンが入った」とあります。サタンは悪魔であり告発者です。ユダに入ったサタンがどのような方法でイエスさまを裏切るように仕向けたのかは書いてありません。歴史上、いろんな人がユダの裏切りのミステリーを解明しようと試みましたが、答えはわかりません。「イスカリオテ」とは「ケリヨテの人」という意味と思われます。そこがどこかは判明しておりませんが、イスラエル南部ではないかと言われています。他の多くの弟子たちやイエスさまの出身であるガリラヤとは別地方ですから、異質な存在であったかもしれません。他にも「シカリ派(暗殺者集団)」説や「スカル人(サマリヤ人)」説などもあります。熱心党員だったのでは?という説もあります。ユダはイエスさまが政治的、軍事的メシアとして立ち上がるため、それを焚き付けるために、業を煮やす思いから祭司長に逮捕を持ちかけたのではないかという説がありますが、それも真相はわかりません。銀貨30枚でイエスさまを売り渡しました。日雇いの賃金、または奴隷一人を贖うための料金などとも言われます。お金欲しさだったのかは分かりません。マタイが描くユダは、自分の行動を激しく後悔し、祭司のところに戻っています(ヨハネの描くユダは完全に悪人のよう)。自分の過ちを告白するユダに祭司長カヤパがかけた言葉は「知ったことか。自分で始末することだ」(マタイ27:4)でした。絶望しかありません。ユダはその言葉通り、自分の命を絶ってしまいます。真の永遠の大祭司イエスさまは決してそのようなことは言いません。ペテロの裏切りのために祈ったイエスさまは、ユダのためにも祈ってくださったでしょう。そして、この私の罪の裏切りのためにも祈ってくださるのです。悔い改めて、主の赦しを得て立ち上がりましょう。何度でも。<清和キリスト教会YOUTUBEオンライン礼拝・小林泰輔牧師>
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