イエスによる解放
2021.08.22
◎ルカの福音書8:26~39
前の箇所で風や波を叱りつけ、嵐を鎮めるイエスさまについて、弟子たちが「この方はどういう方なのだろう」と感嘆したのを見ました。今日の箇所はその言葉に対するもう一つの答えとも言えるところです。ゲラサ人の地で悪霊に憑かれた二人の人がイエスを迎えました。ルカはそのうちの一人に焦点を当てています。彼は長い間、家を出て墓場に住み、何回も発作のようなものを起こし、鎖で繋がれても引きちぎってしまう、そのような凄まじい悪霊の力に占領されていました。悪霊と言っても、オカルト的な荒唐無稽な話として片付けるのは危険です。目に見えないからといって存在しないわけではありません。コロナウィルスも(肉眼では)見えないけれども確かに存在し害を及ぼしています。エペソ2:2では、悪霊が「空中の権威を持つ支配者」と書かれています。人種差別、虐待、いじめ、同調圧力、正義の暴走、そういう風潮や空気が蔓延しているなかで、私たちの世界は、私たちの心は、悪霊に支配下にあると言えないでしょうか。ゲラサ人に取り憑いていた悪霊は「レギオン」と名乗りました。「軍団」を意味する言葉です。いかに強大な力によって抑圧されていたかがわかります。個人の力では為す術もない力です。暴力の連鎖、貧困の連鎖、そういったものが世代間でも連鎖していくのを見るにつけ、呪いのような鎖で縛られている思いがします。その呪いの連鎖を打ち破ることができるのは、唯一無二、神の愛と御力だけです。イエスさまは風や波といった自然現象も、霊的世界の超自然も支配される方です。救い主イエスさまが来てくださった。イエスさまが私たちの罪の力を打ち破ってくださった。この福音の真理が私たちを呪いから解放し、自由にしてくださるのです。偉大な神の力によって悪霊が追い出され、男の人は正気に戻りました。人々はイエスさまを恐れ、その地から追い出してしまいます。しかし、悪霊から解放されたその人をイエスさまはこの地に残しました。私たちも今いるところを遣わされた地としてとどまり、宣教の働きを担って参りましょう。<清和キリスト教会YOUTUBEオンライン礼拝・小林泰輔牧師>
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