新世界を開く方
2023.12.03
◎黙示録5:1~14
前章に続いてヨハネの見た幻の中で、御座についておられる神さまの右の手に巻物があるのを見ました。御使いがこれを開くことの出来る者はあるかと聞いても誰一人答える者はありませんでした。ヨハネは今までは幻を見せられていただけでしたが、その中に入り込むようにして、その巻物の中身が見られないことを悲しみ、激しく泣きました。その巻物の中には何が書いてあるのか、この時点ではわかりませんでしたが、ヨハネはよっぽど中身が見たかったのでしょう。ただの好奇心というのではなさそうです。おそらくその中身には未来を含む世界の歴史、神さまの摂理のご計画が書かれていると予感したのでしょう。ヨハネやその時代の教会が置かれていた境遇を考えると、歴史の行く末を知りたいと思うのも頷けます。なぜなら、ローマ帝国の支配の中で教会は迫害下にあり、ヨハネ自身はパトモス島に流罪になっていたからです。人は苦しみの中にある時、それがいつ終わるのかが分かれば、あるいは何のための苦しみなのかが分かれば耐えることもできます。しかし、それがいつ終わるのか、どんな意味があるのかが分からないと耐えることができません。ですから、ヨハネは絶望して激しく泣いた のです。そこへ長老がやってきて言いました。泣いてはいけない。ユダ族から出た獅子である方、ダビデの子孫としてお生まれになった方、イエス・キリストが勝利したので、その巻物を開くことができるというのです。すると、子羊の姿が目に入り、子羊イエスさまは、御座におられる父なる神から巻物を受け取られました。四つの生き物と24人の長老は倒れ伏して子羊を礼拝します。そして竪琴を巧みにかき鳴らし主イエスを賛美し、香に満ちた金の鉢から煙のように良い香りが立ち上ります。それは聖徒たちの祈りだといいます。「あなたの祈りと施しは神の御前に上って覚えられています」(使徒 10:4)。勝利の主がほめたたえられ、そして子羊イエスの血によって贖われた者たちが、主と共に新世界を統べ治めることが宣言されました。そうしてすべての栄光が御座についておられる方と子羊に帰せられます。賛美と祈りとみことばの宣言と頌栄と、荘厳な天の礼拝の様子が繰り広げられたのです。「天にいます私たちの父よ。御名があがめられますように。御国が来ますように。みこころが天で行われるように地でも行われますように。」私たちが毎週、毎日祈る主の祈りが香の煙のように立ち上り、覚えられ、みこころが成就した姿がここにはあるのです。<清和キリスト教会YOUTUBEオンライン礼拝・小林泰輔牧師>
Comments